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MIT留学でダニエル一家は何を思ふ
三十路ダニエルがMITで勉強する意味はあるのか/二重国籍者の留学とは何なのか/ハンドボールについて何を思ふのか/アメリカ・日本について何を思ふのか
プロフィール

ダニエル

Author:ダニエル
ダニエル(夫):MITエンジニアリング修士課程に社費留学中、アメリカ生まれの二重国籍、趣味ハンドボール、レッドソックスにわかファン
サクラ(妻):米国企業の日本法人を辞めて渡米、でもアメリカ苦手、2年間で好きになれるか
ハロルド(長男):ダニエルに外見も中身もうりふたつ、慎重派な3歳児
ジョン(次男):ハロルドの若かりし頃にそっくりの、ボストン生まれのハッピーボーイ

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75パーセントが終わりました「福知山線脱線事故を思ふ(中)」
事故報告書を読み進めるうちに、どうしても、ひとつの疑問が生じます。

「なぜJRは自動列車制御装置ATSを事故のカーブに設置することができなかったか。」

この疑問に答えることが、事故の再発を防止するために一番重要であると考えています。

事故の発生したカーブには、ATS-SWが設置されていましたが、カーブでの速度チェック機能が備えられていませんでした。

カーブでの速度チェック機能を付加することは、決して難しいことではなかったようです。2003年には、会社内の17箇所のカーブに速度チェック機能が付加されています。しかし、この際の基準は「最高速度が130km/h区間の半径600メートルのカーブ」として限定されたため、事故が発生したカーブに速度チェック機能は付加されませんでした。(事故が発生したカーブは最高速度120km/h区間にあります。)

なぜ、「最高速度が130km/h区間の半径600メートルのカーブ」に限定されたのでしょうか。

関係者のひとりが証言しています。「最高速度120km/hの運転は昔からしてきており、危険として認識していなかった。」

ひとつ、驚いたことがあります。

運転士のブレーキ使用開始の遅れ時間が、たった16秒であったということです。

16秒間程度集中が途切れることは、よくあることではないでしょうか。どうしようもない眠気に襲われることもおおいに考えられます。運転士が意識を失うことも、可能性としては捨て切れません。

すなわち、このカーブは、直前に16秒間だけ意識を失うことでこのような惨事が必ず発生する構造になっていたのです。

しかし、会社側はこの危険性を認識できなかった。120km/h運転は安全だというメンタルモデルに固執してしまった。

残念なのは、比較的最近の1991年に最高速度が110km/hから120km/hに引き上げられ、また、1996年にカーブの半径が600メートルから304メートルに縮小されていることです。これらの設計変更がトリガーとなって、カーブでの速度チェック機能を付加することも十分にできたはずです。でも、できなかった。危険と思わなかった。カーブでの速度チェック機能なんて、昔からある技術のようですし、そして高価な改造であるということでもないようです。

お粗末なのは、会社の安全投資の予算は、決して少ないわけではないことです。急に減らされたということもありません。

安全に投資する予算が急にカットされ、その結果、安全投資が不十分であった、というのはよくある構図です。スペースシャトルの事故などは、その典型のようです。

安全に投資する予算はあったのだけれど、その使い道が間違っていた、というのが正しいところなのでしょうか。(他にどのような設備に安全投資していたのかを調べていませんので、はっきりしたところは分かりません。)

もう一つお粗末だったのは、現場の人間も危険性を認識できていなかったということです。事故後のアンケート結果がそのことを物語っています。

現場の人間は危険性を認識していたけれども、上の人間が聴く耳を持たなかった、というシャトル事故の構図は、今回も当てはまりません。

会社内の誰も危険として認識できていなかった。さらにお粗末ではないでしょうか。
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